バッテリー上がりでやってはいけないこと|危ない接続と運転

ブースターケーブルのクリップを離して持つ手元と、バッテリー上がりでやってはいけないことを紹介する記事タイトル

当サイトはJAF・電池工業会・国土交通省など公的機関や団体の公開情報と、自動車メーカーの公式情報をもとに編集部が独自に執筆しています。バッテリーの位置や救援の手順は車種・年式によって異なるため、お乗りの車の取扱説明書で確認してください。ロードサービスの料金や補償の範囲は契約や時期で変わるため、ご利用前に各サービスの公式情報で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

バッテリーが上がって、ケーブルを手にしたものの『このつなぎ方で合ってる? 危なくないかな』と手が止まっている方もいるかもしれません。

結論から言うと、バッテリー上がりでやってはいけないことは「つなぐ時」「エンジンをかける時」「直った後の運転」の3つの場面に分けると覚えやすくなります。どれも、代わりにやることとセットで知っておけば大丈夫です。

この記事では、場面ごとのやってはいけないことと、その理由を紹介します。

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目次

3つの場面で見る、やってはいけないこと早見表

先に結論

バッテリー上がりの事故やトラブルの多くは、つなぐ順番の間違い、無理な始動、直った後の油断から起こります。やってはいけないことと、代わりにやることを先に知っておくと、慌てずに済みます。

『何がダメなのか、まとめて知りたい』という方も多いですよね。まずは、やってはいけない行動の全体を表で見てみましょう。

場面やってはいけないこと代わりにやること
つなぐ時最後の黒を、上がった車のマイナス端子につなぐエンジンの金属部分につなぐ
つなぐ時クリップ同士を触れさせるプラスとマイナスを離して持つ
つなぐ時ハイブリッド車・24Vのトラックを救援車にする12Vのバッテリーを積んだ車に頼む
かける時何度もセルを回し続ける数回でかからなければ別の手段へ
かける時押しがけを試すケーブル・ジャンプスターター・ロードサービス
かける時検索で出た業者に、料金を聞かずに頼む先に保険やJAFに連絡する
直った後すぐにエンジンを止めるしばらく走って充電する
直った後点検を受けずに乗り続ける早めに点検を受ける
接続・始動・直った後の3場面で、やってはいけないことと代わりにやることを並べた図解

なぜ「やってはいけない」のか

バッテリーは、電気をためる箱であると同時に、扱い方を間違えると危ないものでもあるんです。

電池工業会の案内では、バッテリーの中では充電中などに水素ガスが出ることがあり、火花が引火すると爆発するおそれがあると説明されています。ここで紹介する行動がやってはいけない原因も、多くはこの「火花」と「ショート」にあります。

ケーブルをつなぐ時にやってはいけないこと

ブースターケーブルをつなぐ場面は、いちばん事故が起きやすいところです。JAFも、接続の順番を誤るとショートや発火の原因になると注意しています。

つなぐ時のNG
  • 最後の黒いケーブルを、上がった車のマイナス端子につなぐ
  • プラスとマイナスのクリップ同士を接触させる
  • プラスにつないだクリップの先を、車体の金属に触れさせる
  • 近くでたばこを吸う・火を近づける
  • 被膜が破れたケーブルや、クリップがぐらつくケーブルを使う

最後の1本をマイナス端子につながない

いちばん間違えやすいのが、4本目の黒いケーブルの行き先です。

JAFや多くの取扱説明書では、上がった車のマイナス端子ではなく、エンジンの金属部分(未塗装の金属部)につなぐよう案内しています。バッテリーメーカーの解説では、最後にマイナス端子へつなぐと火花が飛びやすく、ガスに引火して爆発するおそれがあるためと説明されています。

正しい順番は次のとおりです。

正しいつなぐ順番(JAFの案内より)
  1. 赤を、上がった車のプラス端子へ
  2. 赤のもう一方を、救援車のプラス端子へ
  3. 黒を、救援車のマイナス端子へ
  4. 黒のもう一方を、上がった車のエンジンの金属部分へ
  5. 外す時は、つないだ時の逆の順番で
ブースターケーブルをつなぐ順番を番号で示し、最後はエンジンの金属部分につなぐことを伝える図解

順番のくわしい説明は、バッテリー上がりのつなぎ方|ブースターケーブルの順番と外し方で紹介しています。

ハイブリッド車や24Vのトラックで救援しない

『近くにあった車に頼めばいいや』と思いがちですが、救援車には条件があります。

JAFは、ハイブリッド車は車の仕組み上、他の車のバッテリー上がりを救援できないと案内しています。24V仕様のトラックも電圧が違うため、12Vの車の救援には使えません。

救援車の候補救援に使える?理由
12Vのバッテリーを積んだガソリン車使える取扱説明書で案内されている救援車
ハイブリッド車使えないJAFが車の仕組み上できないと案内
24V仕様のトラック使えない電圧が違うため(JAF・トラックメーカーの案内)

救援する側の注意はハイブリッド車で他の車を救援できる?と12V車と24V車のバッテリー上がり|救援できる組み合わせと注意にもまとめています。

液が少ない・凍っている時はつながない

マツダの取扱説明書では、バッテリー液が下限より不足した状態で始動すると、破裂のおそれがあると注意しています。

ホンダの取扱説明書でも、バッテリー液が凍っている時は溶けるまでジャンプスタートできず、凍ったまま行うと壊れることがあると書かれています。寒い朝ほど、作業の前にバッテリーの様子を見てみてください。

静電気と換気にも気をつける

電池工業会は、乾燥した季節は作業の前に他の金属に触れて静電気を逃がすこと、ケーブルの接続や充電は風通しのよい場所で行うことを呼びかけています。

締め切ったガレージの奥などで作業するのは避けましょう。

エンジンをかけたままつながない

JAFの案内では、救援車をボンネットを開けて近くに止め、エンジンを止めてからケーブルをつなぐ流れになっています。マツダの取扱説明書でも、救援車のエンジンを止めて接続するよう書かれています。

救援車のエンジンをかけるのは、4本すべてつないだ後です。

バッテリー液が手についた時の対処

バッテリー液は硫酸なので、腐食性が強いものです。電池工業会は、皮膚や衣服に付いたらきれいな水で洗い流し、目に入ったらすぐに多量の水で洗って医師の診察を受けるよう案内しています。

手袋や保護メガネがあれば、作業の前に身につけておきましょう。

ハイブリッド車・電気自動車ならではの注意

ハイブリッド車や電気自動車は、ガソリン車と同じ感覚で作業すると危ないことがあります。

やってはいけないこと取扱説明書・FAQでの案内
高電圧の部品やモーターにクリップをつなぐ日産のe-POWER車のFAQでは、クリップをエンジンやモーターにつながないよう注意
他の車の救援に使うJAFや日産のFAQで、救援車として使わないよう案内
充電ケーブルをつないだままジャンプスタートする日産の電気自動車のFAQでは、ジャンプスタート時は充電ケーブルを外すよう案内
補機バッテリーの端子をプラスから外すトヨタのハイブリッド車の取扱説明書では、外す時はマイナス端子を先にと案内

つなぐ場所も車種によって違います。取扱説明書を見ても分からない時は、無理をせずロードサービスに頼みましょう。

エンジンをかける時にやってはいけないこと

ケーブルをつないだら、次はエンジンをかける場面です。ここでも、ついやってしまいがちな行動があります。

何度もセルを回し続けない

『あと1回で、かかるかも』と、セルを回し続けたくなる気持ちは分かります。

でも、弱ったバッテリーで回し続けると、残りの電気を使い切ってしまいます。数回試してかからなければ、つなぎ方を見直すか、ロードサービスに切り替えましょう。

押しがけはやめておく

ネットや人づてに聞く「裏技」の一つに、車を押してエンジンをかける押しがけがあります。

でも、今の車の取扱説明書には「押しがけによる始動はできません」と書かれているものが多いんです。MT車でも、押しがけができないと書かれている車種があります。

押しがけは、今の車ではやってはいけない対処法の一つと考えておきましょう。裏技に頼らず、ケーブルやジャンプスターター、ロードサービスを使ってください。

押しがけについては、バッテリー上がりで押しがけはできる?MT車とAT車の違いで紹介しています。

充電器でやってはいけないこと

自宅で充電器を使う時にも、気をつけたいことがあります。電池工業会とバッテリーメーカーは、次のような注意を挙げています。

充電器を使う時のNG
  • 充電器のコンセントを差したまま、バッテリーとの接続を外す
  • プラスとマイナスを逆につなぐ
  • 決められた充電器以外を使う
  • 液を補充できないタイプのバッテリーを急速充電する
  • 卵がくさったような異臭がしても充電を続ける

異臭がしたら、すぐに充電を止めて換気してください。電池工業会は、異臭がしたバッテリーは使わないよう案内しています。充電器の使い方はバッテリー上がりを充電器で直す方法で紹介しています。

料金を聞かずに業者を呼ばない

慌ててスマホで検索し、上に出てきた業者にすぐ電話する。実はこれも、やってはいけないことの一つです。

国民生活センターには、ネットで検索したロードサービス業者に頼んだら、事前に説明のなかった高額な費用を請求されたという相談が寄せられています。消費者庁も2025年3月24日に、低い料金を表示して高額な料金を請求するロードサービス事業者について注意喚起をしています。

業者を呼ぶ前のチェック
  • 自動車保険のロードサービスやJAFの会員か確かめたか
  • 作業の内容と、総額がいくらになるか聞いたか
  • キャンセル料の有無と金額を確認したか
  • 納得できない時は、その場で払わず「188」に相談できると知っているか

待っている間の過ごし方にも注意

ロードサービスを待つ間も、気をつけたいことがあります。

道路わきで待つ時に、車の前後や車道側に立つのは危ないです。中日本高速道路の案内では、高速道路で止まった時は車内や車の前後で待たず、ガードレールの外など安全な場所に避難するよう呼びかけています。

一般道でも、後ろから来る車に気づかれにくい場所では、歩道や建物の側で待つようにしてみてください。

直った後にやってはいけない運転方法

エンジンがかかると、つい気がゆるみますよね。でも、ここで油断すると、またすぐに上がってしまうことがあるんです。

すぐにエンジンを止めない

JAFは、始動後は30分程度走行して充電を回復させるよう案内しています。かかったからといって、すぐにエンジンを止めると、また始動できなくなるおそれがあります。

ただし、30分走れば元どおり、というわけではありません。JAFも、始動に成功してもバッテリーの劣化は改善しないと説明しています。

電気をたくさん使いながら走らない

日産のe-POWER車のFAQでは、始動後しばらくはエアコンやオーディオを使わないよう案内しています。

ほかの車でも、直後は電装品をひかえめにして走るのが安心です。車種ごとの案内は取扱説明書で確かめてみてください。

警告灯を放っておかない

ホンダの取扱説明書では、バッテリーを再接続した後に一部の警告灯が一時的につき、しばらく走ると消える場合があると書かれています。

一方で、JAFの記事では、発電機(オルタネーター)が故障した時はバッテリーの形をした警告灯がつき、走行中に止まることがあると紹介されています。走っていても消えない警告灯は、放っておかずに点検を受けてください。

直った後の運転方法
  • しばらく走って充電する
  • 電装品はひかえめにする
  • 帰り道や近くの整備工場で点検を受ける
直った後にやってはいけないこと
  • すぐにエンジンを止める
  • そのまま遠出や高速道路に出る
  • 警告灯がついたまま乗り続ける

直った後の流れは、バッテリー上がりが直った後にやること|何分走る?その後の点検でも紹介しています。

何度も上がるのに、乗り続けない

一度上がっただけなら、充電で元に戻ることも多いです。でも、何度も上がるなら、バッテリーの寿命や発電の不調も考えられます。

点検を受けて、交換や修理が必要か確かめましょう。修理や交換の費用が重なりそうな時は、今の車を手放すことも選択肢です。下取りだけでなく買取店に売る方法もあるので、先に相場を知っておくと判断しやすくなります。

バイクのバッテリー上がりでやってはいけないこと

バイクでも、やってはいけないことの考え方は車と同じです。JAFのバイクの解説では、接続の順番を誤るとショートや発火の原因になると注意しています。

やってはいけないこと理由(JAFの解説より)代わりにやること
どんなバイクでも押しがけを試す押しがけは主にキャブレター車で有効。FI車は始動できない場合がある充電やジャンピング、ロードサービス
大型バイクで無理に押しがけ転倒のリスクがあるロードサービスに頼む
24Vのトラックから救援する24V仕様のトラックはジャンピングスタートに使えない12Vの車か、ジャンプスターター
始動したから大丈夫と思い込む始動後もバッテリーの状態が改善しているとは限らない早めに点検・充電する

バイクの直し方は、バイクのバッテリー上がり|直し方と車から救援する時の注意で詳しく紹介しています。

よくある相談:やってはいけないことが分からず不安

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられているバッテリー上がりの注意点についての声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 バイクのバッテリー上がり、充電と押しがけはどっちがいい?

バイクのバッテリーが上がった時、充電と押しがけのどちらがよいのか、という相談です。

JAFの解説では、押しがけは主にキャブレター車で有効で、FI車はバッテリーの電圧が低すぎると始動できない場合があるとされています。大型バイクは転倒のリスクもあります。

回答のポイント

押しがけでかかっても、バッテリーが弱っていることは変わりません。始動できた後も、充電や点検でバッテリーの状態を確かめてみてください。

JAFの解説では、バイクのバッテリーの充電作業は、お店に半日から1日程度預けるのが一般的とされています。急いでいる時ほど、無理な押しがけより、ロードサービスや充電を選ぶ方が結果的に早いこともありますよ。

相談2 上がったら、すぐ交換しないといけない?

朝、軽自動車のバッテリーが上がってしまい、上がったら交換しないといけないのか、という相談です。

上がったからといって、すぐ交換が必要とは限りません。バッテリーメーカーの解説でも、ライトの消し忘れや長く乗らなかったことで上がったものは、充電で再び使えるケースが多いとされています。

ただし、長く使っているバッテリーや、放電したまま長く置いたものは、元の性能に戻らないこともあります。点検で確かめてから決めましょう。

相談3 ジャンプスタートでかかった後、どうすればいい?

ジャンプスタートでエンジンはかかったけれど、この後どうすればいいか分からない、という相談です。

まずはすぐにエンジンを止めず、しばらく走って充電してください。そのうえで、早めにバッテリーの点検を受けるのがおすすめです。

「かかったから、今日はもう止めて休もう」は、やってはいけないことの一つです。次にかける時に、またかからないことがあります。

ジャンプスタート後のチェック
  • すぐにエンジンを止めず、しばらく走ったか
  • 電装品をひかえめにして走ったか
  • 走っていても消えない警告灯がないか
  • 点検を受ける日を決めたか

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

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よくある質問

バッテリー上がりでやってはいけないことで、いちばん大事なのは何ですか?

つなぐ順番を間違えないことです。最後の黒いケーブルは、上がった車のマイナス端子ではなくエンジンの金属部分につなぎます。順番を誤ると、ショートや発火の原因になります。

バッテリー上がりの裏技はありますか?

押しがけなどの方法を聞くことがありますが、今の車の取扱説明書には押しがけによる始動はできないと書かれているものが多いです。ケーブル・ジャンプスターター・ロードサービスを使いましょう。

ハイブリッド車で他の車を助けてもいいですか?

JAFは、ハイブリッド車は車の仕組み上、他の車を救援できないと案内しています。救援車には、12Vのバッテリーを積んだ車を選んでください。

冬のバッテリー上がりで、やってはいけないことはありますか?

上がったまま放っておかないことです。電池工業会は、放電した状態で放置すると、寒さで液が凍って電槽が壊れる場合があると注意しています。液が凍っている時は、溶けるまでジャンプスタートもしないでください。

直った後に高速道路を走っても大丈夫ですか?

バッテリーが弱っているかもしれないので、すぐに遠出や高速道路に出るのは避けたいところです。まず点検を受けて、状態を確かめてからにしましょう。

まとめ

バッテリー上がりでやってはいけないことは、つなぐ時・かける時・直った後の3つの場面で起こります。順番を守り、無理をしないことがいちばんの対処法です。

全体の流れはバッテリー上がりの原因と対処|エンジンがかからない時にまず確認することで紹介しています。

この記事の要点
  • 最後の黒いケーブルは、マイナス端子ではなくエンジンの金属部分へ
  • ハイブリッド車や24Vのトラックは救援車にしない
  • セルの回しすぎと押しがけはやめておく
  • 業者を呼ぶ前に、保険やJAFを確認し、料金を聞く
  • 直った後はすぐ止めず、早めに点検を受ける
バッテリー上がりガイド

バッテリー上がりガイド 編集部

車のバッテリー上がりの原因と対処、ブースターケーブルのつなぎ方、ロードサービスの呼び方、バッテリー交換の時期、上がりやすい車を乗り続けるか手放すかの判断まで、公的機関とメーカーの公式情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

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